連れに気兼ねせず、気ままに旅行を楽しみたいと、いま、国内・海外を問わず「ひとり旅ツアー」を選ぶ人が増えています。

今回取り上げるのは、文字通り、ひとりきりで行動する“ひとり旅”や“おひとり様でも参加できます”といったものではなく、あくまでも“ひとり参加限定”が条件のパックツアーに絞ります。

ツアーでのひとり旅と聞くと、グループ客に交じって、ひとり寂しく参加するというイメージがありますが、「ひとり参加限定ツアー」なら、参加者全員が“おひとり様”単位なので、従来のパックツアーのような疎外感はありません。誰かと日程を調整する必要もなく、自分の予定で行きたい時に行けるのが最大の魅力。しかも(原則として)宿泊はひとり一室、バス席はひとり2席使用可。

このタイプのツアーの先駆け的存在なのが、[クラブツーリズム]。なにしろ、“お友達同士、ご夫婦での参加はご遠慮いただいております”という、徹底したポリシーを貫いているほど。参加者の構成比は、50代以上が8割、女性が7割ですが、最近は20~40代の参加も増えているとか。同社では他にも、“ひとり”と“女性”をフューチャーした「女性限定ひとり旅」やワンランク上の「ひとり贅沢」といった企画商品も好評です。

[JTBワールドバケーションズ]では、昨秋、ブータンやネパールなど、人気が高い秘境エリアの「ひとり参加限定ツアー」商品、「ルックJTB eコレクション海外ひとり旅」を発売。今後もひとり旅向けの商品を充実させる計画です。

一方、“ひとり旅”人気の高まりとともに変わってきたのが、受け入れ側の宿泊施設。つい数年前まで、旅館のひとり客はワケあり客と見られたり、大人数で泊まってくれた方が利益につながるといって採算性の面からも敬遠されていました。しかし、大口の団体旅行などが激減したせいで、ひとり客を無視できなくなり、それどころか、今やリピート率の高さもあって、おひとり様は有望なお得意様として歓迎されるまでになっています。宿泊予約サイトの「一休」や「じゃらん」などでも、「旅館ひとり旅」「ひとり旅歓迎の宿に泊まろう」と、専用ページを展開しています。

今のところは中高年が参加者の中心となっている「ひとり参加限定ツアー」ですが、この旅のカタチは、“ひとりが好きだけど、ひとりぼっちはイヤ”という、近頃の若者にこそ、ぴったりフィットするのかもしれません。