例えば、自宅の机まわり。ウラ側には、卓上ライトやパソコン、プリンター、外付けハードディスクなどのコードが束になってからまっている状態。テレビやオーディオまわりなども然り。掃除がしにくい上に、オモテに出ているとコードに足をひっかけるということにも……。

掃除機や扇風機をはじめ、LEDデスクライト、アイロン、オーディオ機器、テレビ、炊飯器など、コードレス化の波は多様な家電アイテムに及び、いまや電源コードなしで使える機能が“標準装備”されるというのがトレンドとなっています。

「コードレス家電」市場をけん引するのが掃除機で、従来のコード式キャニスタータイプがマイナス成長のなか、伸長著しいのがロボットタイプやハンディタイプといった「コードレス掃除機(充電式クリーナー)」の商品群。人気は、英[ダイソン]やスウェーデンの[エレクトロラックス]といった欧州勢。

これまで「コードレス掃除機」といえば、メイン掃除機のサブ的な使い方が主流でした。電池の関係で可動時間が短く、吸引力も弱いといったイメージが強く、“セカンド需要”が主でした。しかし、内蔵するバッテリー(リチウムイオン電池)の改良で性能が向上。例えば、吸引力をコード式タイプ以上に高めたという[ダイソン]の「デジタルスリムDC62」の場合、充電時間が従来の約5時間半から約3時間半に短縮され、可動時間は通常モードで約20分。[シャープ]の「EC-DX100」は、約4時間の充電で、自動エコモードなら最長約46分の可動時間を実現しています。

家電の中でも、コードレス化に向き不向きがあります。基本的に、場所を移動する必要のない家電、例えば洗濯機や冷蔵庫などは、自ずとコードレスの必要性が限られてきます。また、電子レンジやドライヤーといった高熱で使用するものは、発熱に大量のバッテリーを要するため、商品重量の点でコードレス化が難しいとされています。

また、コードレス家電の普及は、単に使い勝手が向上し、コードがなくてスッキリ、というだけのメリットにとどまらず、思わぬところで効果を発揮しています。それは“高齢化世代のニーズ”です。つまり、使用する場所を移動するたびに電源を抜き差しする手間が要らず、いちいち腰を曲げるという負担から解消される点がシニア層にアピール。実際、その世代には、コード式タイプより売れ行きがいいということです。