1990年代前半に米国で登場した「セルフレジ(セルフチェックアウトシステム)」。バーコードスキャナーを備えた端末機に、客が購入する商品を読み取らせて清算するレジで、袋詰めまでのすべてを客自身が行います。日本では、2003年、[イオングループ]が先陣を切って導入。当初は、実証実験が目的で導入する小売業が大半だったため、順調に普及したとは言い難い状況でした。ところが、試験的導入が一巡してその効果が認識されると、スーパーをはじめドラッグストアやコンビニ、ホームセンターなどで「セルフレジ」の本格導入の動きが活発になってきました。

レジ要員の深刻な人手不足やパートタイマーの賃金高騰といった背景の中、「セルフレジ」導入のメリットとして一番に挙げられるのが、人件費の削減です。一般的な「セルフレジ」は、4台のカスタマーステーション(客が操作する端末)と1台のアテンダントステーション(客の操作を監視するための係員用端末)で構成されています。つまり4台のレジが1人のスタッフで対応可能になることで、オペレーションの効率化が図られます。そのことによって生まれた“時間”と“人”を、よりきめ細かなサポートなど、付加価値の高いお客様サービスに投入できるようになった点は大きな“セルフレジ効果”といえます。さらに、自社グループで発行する電子マネーの利用率が上昇する点も、小売店側の収益性向上に貢献します。

そして何より、レジ待ち時間を嫌う客や、購入した商品をレジスタッフに見られたくない客、2~3点の少量買いをさっさと済ませたい客などへの新たなサービスの提供という側面でも大きなメリットをもたらします。

主な「セルフレジ」メーカーは、日本で初めて導入し、世界シェアトップの[NCR] をはじめ、[富士通][寺岡精工][NEC]など。最近の注目機種は「セミセルフ」方式といわれるシステムで、商品バーコードのスキャン業務だけを店員が行い、別の端末で支払い関係の一切を客自身が行うというもので、大幅な清算時間の短縮が図られます。さらには、もはやバーコードスキャン自体が不要なものや、レジ端末の内蔵カメラで商品の色や形を読み取って、価格などを自動的に入力する仕組みの“近未来レジ”も開発されています。