かねてより企業が若い社員に求めているスキルはダントツでコミュケーションスキルですが、とくに近年はグローバルコミュケーション・スキルが求められています。海外留学経験のある劇作家の平田オリザさんは、これを「異文化理解能力」と解し、次のように定義しています。

「異なる文化、異なる価値観を持った人に対しても、きちんと自分の主張を伝えることができる。文化的な背景の違う人の意見も、その背景(コンテクスト)を理解し、時間をかけて説得・納得し、妥協点を見出すことができる」

まさにアサーティブなコミュケーション能力が求められているのです。

しかし日本企業のコミュニケーションの現状は、そうなってはいないようなのです。大学でコミュニケーション論を持つ平田さんは、企業の人事採用について、「自分たちが気がつかないうちに、もう1つの能力を学生たちに求めている」と指摘します。

それは「『上司の意図を察して機敏に行動する』『会議の空気を読んで反対意見は言わない』『輪を乱さない』といった従来型のコミュニケーション能力」です。

果たして日本のビジネスパーソンは従来型のコミュニケーションから抜け出し、アサーティブな環境を確立することができるのでしょうか。

日本人は外国人に比べ、交渉事が苦手だと言います。その場の空気を読んだり、余計な気を使ったりして、本来主張すべきところで意見を控えたりすることが多いようです。

これは短期的な関係より、長期的な関係を求める日本的なビジネス感覚がそうさせているのかもしれません。
しかし、いまや中小企業でも当たり前に海外と取引をする時代ですし、社員の国籍も多様化しています。また同じ日本企業の間でも世代や雇用形態、立場や価値観の違う人たちが働いています。そういった関係においても言うべきことはしっかり伝えられないとビジネス関係が維持できませんし、信頼関係を築くこともできません。

こうしたなか、最近話題となってるのが「アサーティブ」というコミュニケーションスキルです。これは交渉や商談などで相手との関係を損なわずに、うまく自分の主張を伝えていく方法です。