経営は「数字が分かってこそ一人前」と言われています。ここで言う数字とは何でしょうか? 

売上「高」の数字でしょうか。利益「率」の数字でしょうか。

もちろん、今月の売上高がいくらで利益率がいくらだったということを知っていることは経営の基本です。それだけではなく、その利益を使って自分の会社で「いま使えるお金がどのくらいあるのか」ということも知っていなければなりません。

帳簿上では充分な利益が上がっているのに、「あるはずのお金が銀行に残っていない」というミステリーも起こることもあるからです。
 
また、たとえ経営の数字を把握しても、その数字の意味するところが分からず、肝心な時にお金を使えない、ということも招きかねません。

こうした時に使われる「数字」とは、財務の数字です。

中小企業の経営者には「財務はよく分からない、苦手だという人」が多いようです。しかし財務の数字が分からないと経営の分析ができませんし、事業の予測がつきません。

もし医者が引き継いだ患者の診断書が読めずに、病気の判断ができないまま薬剤師に処方箋を出したらどうなってしまうでしょうか。最悪その患者は死んでしまうでしょう。経営も同じことです。財務の数字の意味が分からなければ、適切な手を打てず、倒産することになりかねません。

また苦手意識から財務を担当者に任せっきりという人も少なくないようです。とくに後継系の経営者は先代からの担当者に任せきりとなる傾向があるようです。果たして経営の3大要素の1つである「カネ」の管理を全面的に任せていいのでしょうか。その人物がいかに清廉潔白で、忠誠心の高い方であっても、魔が差すということがないとは限りません。

一方で、「財務?ちゃんとやってるよ」という経営者もいます。しかし、よくよく聞いてみると、経理や会計と混同してるケースも多々あるようです。

いったい財務と会計は何が違うのでしょうか。経理と財務はどこが違うのでしょうか。

「大事だ、重要だ」と言われる財務。でも苦手意識の高い財務。忙しい中小企業経営者は財務についてどこまで押さえておくべきなのでしょうか。

いまどきの経営者が押さえておきたい財務の「勘どころ」を探ってみます。