一般に名経営者と呼ばれる人たちは、おしなべて読書家なようです。しかも名著と呼ばれたり、古典と呼ばれる本などを、何度も繰り返し読みながら、経営の奥義や、人生の奥義を学び、日々の事業活動に活かしているようです。

経営の最新理論も気になりますが、その知識を活かすことができるのは、古典や名著などで経営の基礎となる考え方だけでなく、リーダーとして、人としてどうあるべきかという像を学び取ったからこそ。

たとえば、中国の兵法書「孫子」や経営学の泰斗ピーター・F・ドラッカーの「マネジメント」などは多くの経営者、組織人に影響を与えた本です。

2500年も前の紀元前5世紀中頃から4世紀にかけて著された孫子では、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と、戦いにおける重要性を伝えていますが、パソコンなどない時代にまるで現代のビッグデータ時代を予見するように書かれていることじたい、ただただ敬服してしまいます。

またドラッカーは、数年前に「もしドラ」の略称で話題となった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という小説の題材本として描かれていますが、影響力のある本は、その解説書や副読本などが多く出版されているのも特徴です。「もしドラ」は本だけでなく、映画やアニメにもなり、経営に関心がない層にも影響を与えています。

また優れた経営者やビジネスパーソンは、経営や組織論を語った本以外でも、小説や詩、書画などから多くを感じとって学んでいる人が多いようです。

なかでもよく読まれているのが司馬遼太郎、池波正太郎、藤沢周平の時代小説。司馬遼太郎は現代の竜馬ブームを作った人物であり、龍馬を理想とする現代の起業家や経営者も少なくありません。書家では相田みつをが人気があるようです。その独特の字体は観る人を惹きつけますが、その平易な言葉の奥に広がる人生の機微に魅了され人も多いようです。

名経営者は感度も高く、目に入るものや聞こえてくるものから吸収できてしまうのでしょう。

現代の経営者たちを惹きつけてやまない、古典や名著にはどのようなものがあるのでしょうか。またそこから、現代の経営者やビジネスマンは何を学べばいいのでしょうか。

今だからこそ読んでおきたい古典を探ってみます。