あるビジネスツール会社のテレビCM。怒りが収まらないといった様子で、帰社したビジネスマン。決まりかけていた大きなプロジェクトを逃したようです。しきりに「トップダウンでキーマンにアプローチされたらたまらない」と繰り返しています。そこに別の社員が「その方なら知ってます」とぼそり。怒りに任せていた当事者は「それ~、早く言ってよ~」とうめくような声を絞り出します。

ビジネスにおいてターゲットへのアプローチはさまざまです。水も漏らさぬ完璧さで正面からアプローチしても、搦手から攻め込んだ競合に仕事を奪われることはあります。世の中は言われているほど公平透明ではありません。多少提案内容が見劣りしても、顔見知りや親しい人と仕事をしたほうが、担当者にとっては楽ですし、細かい注文もつけやすかったりします。

ビジネスで成功するためには、さまざまな要件が求められます。地頭の良さや専門知識、経験知、胆力、分析力、戦略、お金、勘などいろいろです。しかし社会に出て荒波に揉まれるほど、重要だと気付かされるのはその人の運と人脈だったりします。とくに中小企業の場合は、トップの人脈がビジネスや事業規模を決めてしまいかねません。 

「実力があるから人脈が広がるのだ」という考えもあるでしょう。しかし人脈づくりをふだんから意識している人とそうでない人とは、人脈の幅や質に大きな差が出てくるのは確かです。

あの名門のハーバード大学のMBAコースでは、初日から人脈づくりが始まると言います。彼ら彼女らは2年間という限られた時間のなかで、将来ワールドワイドなビジネスを展開する上で必要な人脈を、基礎からしっかり構築していくのです。

日本でも最近は人脈づくりのための交流会やセミナー、勉強会などが増えているようですが、そこでどんな人たちと繋がっていくかをしっかり絵を描いておかないと、大切な時間を無駄にするだけでなく、そこで関わった人の関係に振り回されることにもなりかねません。

いまどきのビジネスマン、経営者を成功に導く人脈作りのためにどのような準備と実践が求められるのでしょうか。