IT技術の進化を背景に、ビッグデータを使ったビジネスが注目を集めています。これまでビッグデータというと医学や宇宙開発、気象などの科学の最先端分野や、複雑な予見をする特別な世界ばかりと思われていましたが、近年はスーパーやコンビニなどの小売、IT化が遅れているとされていた農業などでもビッグデータと言われる巨大情報を利用した新たなビジネスが生まれています。

たとえば、コンビニでは顧客情報や天候を毎日分析し、エリアや各個店ごとに商品の仕入れ数や商品構成を変え、収益アップにつなげています。

建設機械メーカーでは、世界中で稼働している建設機械を一括管理し、機械のあちこちに付けられたセンサーなどから情報を受け取り、オーバーヒートなどのトラブルや部品欠損を防いだり、建設現場の作業効率の改善につなげています。

また東日本大震災の時には、クルマのカーナビの位置情報を集約し、通行可能なルートを割り出して、災害復旧や支援物資の輸送に役立てました。さらには、カーメーカーがクルマのブレーキや加速などの走行データを集約し、行政と協力しながら道路の危険箇所などを特定し、信号機の設置や見通しの悪い交差点などでの街路樹の剪定などで、交通事故を激減させた例もあります。

膨大な情報とそれをきめ細やかに解析する技術インフラが整ったからこそなし得た効果です。ただ、すでに我々の身の回りは情報で溢れており、これ以上情報が増えても管理できない懸念もあります。

さまざまITツールが登場し、飛び交う情報は飛躍的に伸びています。IBMの調査では1秒間に発せられるつぶやきの量は1万件に達しているというデータもあります。

また総務省の調査(平成21年「情報流通インデックス研究会」報告書)では、世の中で取り交わされている情報流通量は2001年を100とすると、2009年では約2倍の199まで増え、その一方消費されている情報は109にとどまっています。つまり、情報量は飛躍的に伸びているものの消費のほうは頭打ちとなっているのです。

実際消費されている情報の量は、流通している量に対してわずか0.004%しかありません。

情報の海で私たちが溺れないためにはどうすればいいのでしょうか。ビジネスマンは、経営者はどのようにビッグデータとつきあっていけばいいのでしょうか。

ビジネスの宝の山と言われるビッグデータの活用法を探ってみます。