「ブラック企業」という言葉が、世の中に浸透しています。とくに就活をする若者の間では、大きな影響力を与えるようで、人材の確保、雇用計画を左右するようになりました。厚生労働省もその実態を注視しています。

「若いときの苦労は買ってでもしろ」という言葉があります。かつては多少無理や理不尽なことがあっても、一人前となるまでは、修行期間と思って耐え、苦労するのが当然という考えがありました。

いまでも職人などの世界ではそういうことはあるようです。無給で師匠の身の回りの世話をし続けながら、仕事の技術もまともに教えてもらえない…。「当然だ。仕事の技は教わるのではなく、盗むものだ」という考え方のもとに。

ブラック企業と呼ばれる会社もそのような企業方針を掲げ、「早く一人前になって稼ぐようになれ」と檄を飛ばしています。

しかし前者とブラック企業には、大きな違いがあります。前者は本当に一人前になってもらいたいと考えて鍛え、実際その時期を耐えれば、誰もがその道の「一人前」の人間として認めてもらえるからです。人を一人前に育てるという理念がしっかり入っています。しかしブラック企業と言われる企業は、そういった「育てる」という視点が乏しく、人間としての尊厳を失わせて、病や死に追い込んでしまうのです。

「ウチはそんなことはないよ」という経営者が大半ですし、実際そうだと思います。しかしながら、これまで「当たり前」だと思っていたことが、よもやブラック企業と呼ばれるきっかけをつくることにもなりかねません。

たとえば、人材募集の広告をかけるときは、どんなコピーを使っていますか? 

もしコピーのなかで「やりがい」や「感動」、「夢」という抽象的な言葉がやたら強調されているとしたら、応募者側が「ブラック企業かも」と判断するかもしれません。夢ややりがいを強調するのは暗に「金銭では報わない」ということを示していると受け取られるからです。

若い人や世間からブラック企業と呼ばれないためにはどういった点を注意すればいいのでしょうか。その対応を考えてみたいと思います。